こんにちは!OKです。
今回はバレンシアガ(Balenciaga)やヴェトモン(Vetements)で活躍していたデムナ・ヴァザリア氏(以下デムナ氏)のキャリアや代表するアイテムをご紹介します!
現代のファッション界の中心人物の一人であるデムナ氏は一体どんな人物なのか。
是非ご覧下さい!
デムナ氏のプロフィール
幼少期〜学生時代
デムナ氏は、1981年3月25日にジョージア(旧グルジア)のスフミで、ジョージア人の父とロシア人の母親のもとに生まれました。1993年に紛争の影響を受けてジョージアの首都トビリシへ避難。紛争の中、食事や遊びなども制限された環境で幼少期を過ごしました。
紛争の影響で、彼の一家は住む場所を転々しました。このこともあり、デムナ氏は6カ国ほどの言語が話せるとのことです。
ウクライナ、モスクワエオを経て2001年にドイツのデュッセルドルフへ移住しました。ドイツでの生活は今までとは異なり、自由な生活を送ることができ、移住した当初は戸惑いもあったようです。
トビリシ国立大学で、国際経済学2001年まで学び卒業。その後アントワープ王立学術アカデミーへ進学しました。アントワープでは、ファッションデザイン学科にて、ファッションについて様々な知識・技術を身に付け、2006年に修士課程を修了しました。
メゾン・マルタン・マルジェラ「Maison Martin Margiela」へ入社
アントワープを首席で卒業するほど優秀だったデムナ氏は、その後、メゾン・マルタン・マルジェラへ入社し、レディースコレクションを担当しました。
マルジェラの匿名性や再構築の美学について学び、そこでの経験はデムナ氏の今後のデザインに大きく影響を与えることになりました。
ルイ・ヴィトン「Louis Vuitton 」へ
マルジェラの次はラグジュアリーブランドの筆頭、ルイ・ヴィトンで働きました。
当時のウィメンズ部門の責任者ニコラ・ジェスキエール氏の元でデザインや商業性について学びました。
自身のブランド、ヴェトモン【Vetements】を創設
2014年に自身のブランドを彼の弟と遂に立ち上げました。
大胆なデザインが話題を集め、DHLロゴのTシャツやビッグシルエットのシャツやパーカー、再構築されたデニムなど今までのファッション界に衝撃を与えました。唯一無二のデザインは後のトレンドとなる「ラグジュアリーストリート」の火種となりました。
その影響もあり数年で世界的に有名なブランドへの変化していきました。


ファッション業界においてストリートファッションをラグジュアリーブランドのデザインに落とし込んだ先駆者となりました。SNSが普及してきた現代でInstagramなどの影響もあり、若者から多くの支持を受けました。
2019年9月にヴェトモンからは退任し、弟のグラム氏が後継者として運営を続け2022年にクリエイティブ・ディレクターに就任しました。
バレンシアガ【Balenciaga】のアーティスティック・ディレクターに就任
2015年にラグジュアリーブランドのバレンシアガのアーティスティック・デザイナーに就任しました。
今までの伝統を引き継がれてきたブランドのイメージを自身のデザインを通して、ブラントをラグジュアリーストリートのスタイルへと大きく変化させました。
このデザインの変化によって、若者の注目を集めることができSNSなどを通じて世界的に大人気のブランドとなりました。
デムナが手がけた、ロゴを主体としたデザインやオーバーサイズのアイテムは他のブランドもデザインを真似するほどトレンドの中心的な存在となっていました。
バレンシアガからの退任とグッチへの移動!!
2025年にファッション界に衝撃を与える異動がありました。デムナ氏がバレンシアガのクリエイティブ・ディレクターを同年の7月オートクチュール・コレクションを最後に退任することが決まりました。
次は、同じケリング・グループであるグッチのクリエイティブ・ディレクターへの就任が決まっています。彼のグッチでのファーストコレクションは、2025年9月のミラノ・ファッションウィークで発表される予定です。
主な受賞歴
2017年:CFDA ファッションアワード(インターナショナル賞)
2018年:Fashion Awards(アクセサリーデザイナー・オブ・ザ・イヤー)
2021年:ジョージア大統領より「名誉勲章」授与
CFDAファッションアワードにて、グローバル・ウィメンズ・デザイナー賞を受賞
デムナのメッセージが詰まったコレクションの数々

デムナ氏は、「服は自己表現のためのファッション・ユニフォーム」であると語っています。
デムナ氏がデザインを手がけるアイテムは見た目が優れていることはもちろん、デザインを通して様々なメッセージを世の中に発信しています。
デムナは自身がゲイであることを公言しており、LGBTQIA+(同性愛者や両性愛者、トランスジェンダーなどの総称)の認知と受容の促進を支援しており、自身のコレクションを通して社会へのメッセージを発信しています。
デムナは元難民として戦争の悲惨さや愚かさを誰よりも理解しています。
ファッション業界では「戦争によって苦しむ人がいる中で、コレクションを開催しても良いのだろうか」というムードが漂う中、デムナが作り上げたショーはそんな業界人の考えを大きく揺さぶるものでした。
一夜にして難民となり、過酷な状況の中懸命に生きているウクライナの人々を思わせるルックに感情を揺さぶられるゲストが続出。
デムナはこのショーで、ファッションを通して「愛と平和」を伝えられるということを証明しました。
デムナの代表的なアイテム・コレクション
ビッグシルエットのアイテム


デムナ氏のデザインと代表的なアイテムとして欠かせないものは、ビッグシルエットアイテムです。
幼少期戦禍の中子ども用の服がなかったため、大人の服を着用していました。
父親のお下がりを着てシャツの袖を指の先までぶら下げながら、住む場所を追われていました。
この時の出来事がデムナ氏の「オーバーサイズ」というデザインに大きな影響を与えています。
バレンシアガ2022年ウィンターコレクション

引用:fashionsnap.com

引用:fashionsnap.com

バレンシアガの2022年ウィンターコレクションは、デムナ氏を代表するコレクションの一つです。
ウクライナ戦争に対して込められたメッセージ性のあるコレクションで、雪が降る演出も交えたショーは圧巻でした。
ゴミ袋から着想を得た大きなバッグ(The Trash Pouch)やブランドロゴがプリントされたガムテープを全身に巻きつけたルックはインパクトのあるデザインでした。
デムナ氏の戦争に対する思いが込められたコレクションは、賛否を生みましたが世界的にとても注目されたショーとなりました。
スノーボードを楽しむ雪山からイメージをしたコレクション


2018年秋冬のバレンシアガのコレクションは、雪山でスノーボードをすることをイメージしたスタイリングが特徴的でした。特に、何枚もレイヤードしているのがこのショーのポイントでした。
最大で9枚のアウターが重なっていたようです。
また、3Dボディスキャン技術を活用したウールやツイード、ベルベットは構築的な構造で現代の最新技術をうまく活用しているものが多く登場しました。
ビッグシルエットのスニーカー



デムナ氏のデザインしたビッグシルエットのスニーカーも大人気コレクションの一つです。
スニーカーの中でも数多くの人気作品があり、3XLや10XL、Runner、Triple Sなどがあげられます。
他にもTyrexなどのも熱狂的なファンがいますね。
ビッグシルエットのトレンドが落ちき始めている現在でも、存在感抜群なデザインですね。
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