【ブランド解説】クリエイティブディレクター退任で衝撃を集めたドリスヴァンノッテンとはどんなブランド!?

ファッション
画像出典:FASHIONSNAP

こんにちは!OKです!

今回は、ファッション界の中でも独自の存在感を放つ「ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)」について紹介したいと思います。

2024年に退任が発表され、世界的に衝撃を与えました。ブランドの歴史や注目されたコレクションについてご紹介いたします。

ドリスヴァンノッテンってどんなブランド?!

ドリス・ヴァン・ノッテンは、かの有名なベルギー・アントワープ出身のデザイナー、ドリスヴァンノッテン氏によって1985年に立ち上げられたブランドです。

派手なロゴや過剰な自己主張はあまりせず、着る人の個性を美しく引き立てるデザインが特徴です。

彼の服は、豊かな色彩、詩的なプリント、そして細やかな職人技に支えられています。
民族的なモチーフや、自然からインスピレーションを得た柄を、エレガントで都会的なスタイルに昇華するセンスは唯一無二。まさに「静かなる情熱」を感じるブランドです。

ドリス・ヴァン・ノッテンの歩み

引用元:WWD JAPAN

ドリス氏はどのような人物なのか、簡単にご紹介します。

1958年、ベルギー・アントワープ生まれ。ベルギー・アントワープのファッション業を営む家庭に生まれます。祖父はテーラー、父は高級ブティックのオーナー。幼い頃から上質な生地や服に囲まれて育ちました。

1976年、アントワープ王立美術アカデミーで学び、卒業後の80年代に「アントワープ・シックス」として注目を浴びる。5人の仲間たちとともに、ロンドンのトレードショー「ブリティッシュ・デザイナーズ・ショー」に出展。これが後に「アントワープ・シックス」と呼ばれ、世界の注目を浴びることになりました。

1986年、自身のブランド「Dries Van Noten」を正式に設立。
同年、アントワープ王立美術アカデミーの同期たちとともにロンドンで合同展示会を開催。当初のコレクションはメンズウェアのみの展開でした。

90年代に入ると、ウィメンズコレクションもスタート。ビッグメゾンと違い、広告やセレブ起用には頼らず、あくまでコレクションの内容で勝負し続けました。素材へのこだわり、エスニックな影響、控えめなラグジュアリー。この独自路線が、次第に世界中のファッションエディターやバイヤーに支持されるようになります。

2008年、アメリカファッション協議会(CFDA)から「International Designer of the Year(国際賞)」を受賞。グローバルな評価が確立した瞬間でした。

2018年、ブランドの将来と拡大を見据え、スペインのPUIGグループに株式を売却
ただし、創業者であるドリス本人がクリエイティブ・ディレクターとしてブランドを引き続き牽引しました。PUIGの支援により、より広いマーケットへのアクセスを得ながらも、
ブランドのアイデンティティは変わることなく保たれます。

2024年、自身の引退を発表。最後のショーとなる2025年春夏コレクションで惜しまれつつフィナーレを飾りました。

どんな特徴があるの?!

このブランドには、どのような特徴があるのでしょうか。

1. 色彩とプリントの魔術師

ドリスの作品において、色使いと柄は欠かせない要素。
同系色でまとめたコーディネートの中に鮮烈なプリントが浮かび上がり、見る人の心をつかみます。

2. ハンドクラフトへのこだわり

大量生産にはない、職人たちの手仕事による温もりを大切にしています。
繊細な刺繍、染色、手織りなど、素材にも徹底的にこだわるスタイルです。

3. “目立つため”ではないラグジュアリー

ラグジュアリー=ギラギラ、ではない。
ドリスは、「自分のために装う」という本質的な豊かさを大切にしています。

注目されたコレクションはどんなもの!?

① 2014年春夏メンズコレクション

テーマ:夢と現実の間(ドリーミーな世界)

・パジャマのようなリラックスしたシルエットに、サテンやフローラルプリントを組み合わせたコレクション。

引用元:Fashion Press

・メンズなのに繊細なフラワーモチーフを多用し、当時かなり話題になりました。

・まるで「夢の中を歩いている」ような雰囲気。

引用元:Fashion Press

② 2017年秋冬ウィメンズコレクション

テーマ:個性の祝福

・これまでのドリスの過去コレクションのエッセンスをミックスして再構成。

引用元:Fashion Press

・パワフルなプリントの重ね着、ビジュー刺繍、ベルベット、ファー、カラフルな素材感。

・モデルにはキャリアの長いベテラン女性たち(リアルな年齢感のあるモデル)も起用し、年齢を問わない美しさを打ち出しました。

引用元:Fashion Press

出典:Fashion Press

③ 2020年春夏ウィメンズコレクション(コラボ)

コラボ:クリスチャン・ラクロワ

・フランスの伝説的デザイナー、ラクロワとの夢のタッグ。

引用元:FASHIONSNAP

・鮮烈な色彩、バロック調のデコレーション、劇場的なスケール感。

・それでいて、ドリスらしい「着られるリアルクローズ」に落とし込んでいるバランスが圧巻でした。

引用元:FASHIONSNAP

④ ラストショー 2025年春夏コレクション

テーマ:感謝と祝福

・2024年、本人が引退を発表した後、2025年春夏パリコレクションで最後のショーを開催。

引用元:FASHIONSNAP

・過去の代表作を思わせるテキスタイルやカラーを散りばめた、集大成のような内容。

・ショーの最後にはスタンディングオベーションが沸き起こり、ドリスの美学がいかに愛されていたかを象徴するフィナーレでした。

引用元:FASHIONSNAP

まとめ:ドリス・ヴァン・ノッテンが教えてくれること

出典:Dries Van Noten公式

・ドリスの服を見ていると、
「ファッションは自分自身を静かに、でも確かに表現する手段なんだ」と思わされます。

・誰かに見せるためじゃなく、自分の内面を豊かにするために。
そんなファッションの楽しみ方を、ドリス・ヴァン・ノッテンは教えてくれているのかもしれません。

・ドリス氏の退任後は、​後任として2024年12月にベルギー出身のデザイナー、ジュリアン・クラウスナー(Julian Klausner)が新たなクリエイティブ・ディレクターに就任しました。​彼は2018年から同ブランドのウィメンズウェア部門でドリスと共に働いており、その経験とブランドへの深い理解が評価されての抜擢です。

今後も注目のブランドですね!!

次回は、ドリス氏について深ぼった記事や、アントワープ王立美術アカデミーについてご紹介いたします。


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