こんにちは!OKです。
今回はベルギーの世界的に有名な服飾学校「アントワープ王立芸術アカデミー〈Royal Academy of Fine Arts Antwerp〉」について解説します。
個性を尊重する教育方針のもと有名デザイナーを多く輩出しています。
教育方針や受験方法、アントワープを卒業した有名デザイナーを紹介していきます、
学校の特徴
アントワープは、1663年ベルギー・アントウェルペンに創立されました。デザインやアートを学べる王立大学であり、有名なファッション学科だけでなく、グラフィックやジュエリーデザインなど学ぶことができます。
ファッションデザイン学科は留学生が多いこともあり比較的英語での対応が進んでいますが、基本的に授業はオランダ語で進めらるようです。その他にもフランス語・ドイツ語が主な言語となっています。
アントワープの教育の特徴としては、
単に洋服をデザインするだけでなく、デザインのコンセプトも重要視した教育。
その服の製作意義を突き止める指導方針で、社会情勢や人種、ジェンダーなど多様なテーマについても自身の考え持つことが重要視されている。
各学年の人数が10〜20人と少なく、1人ずつに手厚い指導が行うことができる。
スケッチ、パターン、縫製などの技術指導+個別指導がセットで、色彩・造形・ドローイング・彫刻などの授業もカリキュラムに含まれているため技術習得も可能。
デザインの正解を押し付けることはなく、製作の過程を重視。
入学時の面接や試験について
①事前応募:オンラインでの応募での事前の応募になります。
②提出物:動機書が必要となります。
③英語力証明:英語が母国語の場合は該当しません。語学試験などはありませんが、TOEFLやIELTSなどの点数が基準のスコアよりも高いことが条件となっています。
3つの観点から選考された受験者が入学試験を受けることができます。
試験は、5月にアントワープにて4つの内容の試験を1週間を通して行います。
①観察力テスト:鉛筆、木炭など、白黒の技法を使いファッションシルエットのドローイング。
②水彩を使った静物のクリエイティブ処理
③与えられたテーマでのデザイン課題
④面接〈interview〉:個別面談。動機・創作観・将来の目標などを問われる。
※ファッション学科専攻の試験内容になります。その他の学科の試験内容は異なります。
現地での面接&入試による選考があり入学のハードルは高く、また、ファッションデザイン学科の学年別の在籍数を見ると毎年約半分は落第(クビ)になっています。才能の有無に関わらず頑張れば卒業できるわけではなさそうです。
合格率は驚愕の5〜10%になります。
実践的なデザインスキルを身につけるためというよりは、自分の個性やデザインに対する独創性を持ち、独自の哲学を追求したい人が才能を開花させてます。
アントワープ王立芸術アカデミーの卒業生はどんな人がいる!?

アントワープシックス:1980年から1982年に卒業した計6名のことを総称しています。
1986年にトラックを借りてコレクションを携えてロンドン・ファッション・ウィークに向かったとき、大きな転機が訪れました。限られた予算の中で彼らは、巧みにトラックを借りてロンドンで作品を披露し、世界的に注目を浴びました。記者たちは彼らの名前の発音が難しいことから、6人のグループを総称してを「アントワープ シックス」と名付けられました。
アン・ドゥムルメステール氏:黒を基調としたデザインが特徴的。自身のブランド【アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)】を立ち上げています。現在はクリエイティブ・ディレクターは退任しているが多くの実績を残していますね。
ドリス・ヴァン・ノッテン氏:繊細の色使いとシルエットで多くのファンがいる。日本でもファッショニスタの中で大人気ですね。クリエイティブ・ディレクターとして退任している。
ブランド解説の記事はこちらから↓
マリナ・イー氏:正式な「ブランド名」を前面に出す形ではなく、自身の名前「Marina Yee」名義で作品を発表してました。1980年代後半以降、商業主義から距離を置いていました。アート、リメイク、リサイクル、哲学的アプローチなどを軸に、一品ものや少量生産のみのコレクションを展開していました。
ダーク・ヴァン・セーヌ氏:ダーク・ビッケンバーグ氏:ビッケンバーグ(BIKKEMBERGS)の代表を務めていた。スポーツとファッションを融合させたスタイルで有名ですね。
ウォルター・ヴァン ベイレンドンク氏:1993年に「W&L.T.(Wild&Lethal Trash)」を発表し世界的に有名となりました。後に自身の名を冠したブランド「ウォルター・ヴァン・べイレンドンク」と「エロティックテロリスト」を設立しました。現在はアントワープ王立芸術アカデミーでファッションについて教えています。
マルタン・マルジェラ氏:メゾンマルジェラの創設者で、アントワープシックスと卒業年は近く1980年に卒業しています。服の構造を裏返す・再利用などの脱構築や再構築をデザインに取り入れた先駆者として有名ですね。自身のブランド「Maison Martin Margiela」を1988年に設立しています。
デムナ・ヴァザリア氏:ヴェトモン・バレンシアガのディレクターを務めていましたが、2025年にグッチのディレクターに就任しました。バレンシアガでの功績が大きく、グッチでのファースト・コレクションも注目されていますね。
デムナ氏について解説記事をありますので、是非チェックしてみてください!
グレン・マーティンス氏:Y/Projectを設立したデザイナーで革新的なクリエイションやDIESELでの経験を経て、メゾンマルジェラのクリエイティブ・ディレクターに就任しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は世界的に有名な服飾学校「アントワープ王立芸術アカデミー」についてご紹介致しました。
歴史的な学校で、多くの有名デザイナーを輩出している学校であり、教育の特徴も個性を尊重し技術も間違いなく習得できる場所であることは間違いないですね!
アントワープ公式サイトは以下のリンクに記載しているので、気になる方はチェックしてみてください!
コメントを残す コメントをキャンセル